「座席」で旅する。
座席図鑑 東武鉄道1720系”デラックスロマンスカー”「きぬ」「けごん」
「座席」で旅する。>座席図鑑>私鉄車両>東武鉄道1720系デラックスロマンスカー
運行区間
浅草〜東武日光・鬼怒川温泉(1960-1991)
座席図鑑No.31
ページ公開:サイト公開時
更新:2016年11月24日

取材:2009年7月・2016年11月(東武博物館)
  2009年4月(レストラン「清流」) 
昭和30年代まで首都圏から日光への観光輸送において国鉄と東武はライバル関係にありました。

国鉄が特急並みの設備を誇る157系による準急
「日光」を切り札として導入すると、対抗して東武が登場させた車両が国鉄151系や当時のアメ車で流行していたテールフィンデザインを採り入れた1720系デラックスロマンスカーです。
この車両の登場によって国鉄は日光戦争の兜を脱ぎ、1720系は1990年「スペーシア」の登場まで東武の顔として君臨し続けました。その後1991年に引退、現在は4両が各地で保存されています。
こちらは東武博物館に保存されている車両。1両全体ではなく、カットモデルでの保存となっています。

この時代の国鉄特急車は、東海道のエースであった151系やライバルの157系がそうであったように「回転クロスシート」が主流であり普通席がリクライニングするという事は考えられない事でした。(国鉄が普通席でリクライニングシートを導入したのはDRCから12年後の183系、それも簡易リクライニングシート)

フリーストップではなく任意の3段階でロックできるリクライニングですが、この時代では2等車(グリーン車)レベルの座席に匹敵する座席でした。

外国人観光客の方の乗車を考慮してか、シートピッチは1100oと、これまた現在のJRグリーン車と殆ど変らない広さを確保。足元には土足面と土足禁止面での2面展開のフットレストと、とにかく至せり尽くせりの豪華仕様です。

テーブルは壁に取り付けられた東武特急の定番となるスタイルのものになっています。
 2016年、7年ぶりに再訪すると、全景写真左側の手前2列は改座されていました。

最晩年、1988年から設置が始まった座席で、レコードの衰退によって役目を終えたジュークボックスと、それが目玉であったサロンを廃止、客席化した際に設置されたものです。

引退時にもまだまだ新しかったはずですが・・・数が少なすぎたためか、200系に転用された気配もなく、東武博物館で新たに展示されるまでどこに居たのかも不明です(笑)
2列のうち、上の写真(2列目)はリクライニング装置の故障か、ボタンを押さなくてもリクライニングし体重をかけていないと勝手に戻るようになっていました。

1列目はリクライニング状態で写真撮影が可能であったため、展開図としてはこちらを掲載します。
さて、わたらせ渓谷鉄道を旅していると途中の神戸(ごうど)駅で青色の不思議な塗装をされた車体に出会います(笑)これは電車のレストラン「清流」さんで、DRCの中間車2両をお店としています。

メニューは定食やお蕎麦、カレーの他、ケーキと飲み物のセットなど喫茶店的なメニューもあります。
その他駅弁も売られているようです。

(2011年頃に1720系オリジナルカラーに塗り替えられた模様です)
車内はほぼ原形を留めていますが、全て向い合せに設置され食事用のテーブルが設置されています。

また、東武博物館の車両には掛けられていないヘッドカバーも現役時代と同じようにかけられています。

向い合せになっていますがリクライニングは稼働します。

この保存車・座席共に名車デラックスロマンスカーを後世に伝えることができる貴重な資料です。維持費のかかる中保存されている「清流」さんに感謝するとともに、故意な破壊や汚損は以ての外、おそらくもう交換は出来ないであろう座席やカーテンに食事などがこぼれないように注意したいものですね。
私鉄特急のページに戻る