座席図鑑 小田急20000形ロマンスカーRSE「あさぎり」       

JRC BLUE RIBBON PRIZE 1992
小田急史上唯一の気動車キハ5000形から始まり3000形SSEを使用した連絡急行あさぎり号として運行していた小田急・国鉄御殿場線直通列車ですが、日本の鉄道史に残る名車、3000形SSEも老朽化には敵わず置き換えが検討される事になります。
小田急とJRによる協議の結果、双方で新型特急車を製作し相互乗り入れを行い、運行区間を沼津までの延長することになり、JR側の371系に対して小田急の20000形が誕生しました。
以降約20年の間「あさぎり」を中心に運行してきましたが、2012年のダイヤ改正で「あさぎり」の運行区間短縮とMSEへの置き換えとなり引退。
現在は1編成が富士急行に譲渡され、フジサン特急として活躍しています。
車内は全体的に灰色が中心でシックな印象。座席は小田急の車両としては初めて、フリーストップリクライニングシートが設置されています。
しかし座ってみた感想としては座面、背もたれ共にお世辞にもすわり心地の良い座席ではないな・・・と、同じ「あさぎり」号としては371系の、ロマンスカーとしてはEXEの座席には及ばない気がします。

「あさぎり」号で新宿から沼津まで乗りとおすと2時間を超える乗車時間になるため、従来のロマンスカーに比べて居住性が重視されており、ロマンスカーとしては初めてセンターアームレストやフットレストを設置。
テーブルは背面収納のものと、向い合せの時に使用できる窓側に設置されたものの2種類。

ダブルデッカーの2両を除いた5両は全てHISEと同じハイデッカー構造になっています。
こちらはダブルデッカー車である3号車の1階席。

車体の構造上平屋建の車両よりも幅が狭くなるため、普通車でありながら横3列の配置。

2階のスーパーシートと窓割りを合わせるためか、または眺望の悪さを補うためか、この部分のシートピッチはスーパーシートと同じ1100oとなっています。
同じダブルデッカーの4号車階下席は、3列配置の普通車ではなく4人掛けのセミコンパートメントが3室設置されていました。

同じロマンスカーであるVSEにもサルーンと呼ばれる4人コンパートメントが設置されていますが、VSEのサルーンが1室単位で販売されるのに対しこちらは1席単位での販売。
4人の時はもちろん、2列席では半端な3人や、やろうと思えば一人でひっそりと個室で移動することも可能でした。(相席になる可能性もありますが)
100系新幹線を筆頭に「リゾート21」「アーバンライナー」「スペーシア」「スーパービュー踊り子」といった各社が趣向を凝らした豪華な内装の特急車両が多く生まれたバブル期の80年代後半〜1992年ごろ(笑)

小田急ロマンスカーにも上位クラスとなるスーパーシートが登場しました。

7両中2両が特別車という豪華仕様ですが、登場した時のバブル景気、そして御殿場線沿線に多いゴルフ場へのゴルフ客(会員権が千数百万〜数千万円の時代ですから)はグリーン車を利用するであろうという予測から。

座席は横3列配置のリクライニングシートで、普通席より大きい座席に1100mmと広めのピッチ。
土足/土足禁止面2面展開のフットレストと特急のグリーン車として一般的な設備。
テーブルは背面収納の大きなものがありますが、向い合せで使えるように肘掛収納も用意されています。

また、現在はありませんがセンターアームレストには液晶テレビが設置されていました。(小田急のHPにある元乗務員さんのお話によると、大相撲「若貴ブーム」の頃には夕方に新宿を出発する「あさぎり」で6時までの幕内後半戦を視聴できることもありそれを目当てにした乗客も多かったとか)
こちらは一人掛けの席。

隣に乗客が来ない事から一人乗車のビジネスマンなどにはこちらの方が人気があったようです。

座席の仕様は上の二人掛けと同じです。
グリーン車の中ほどには1階の非常口が2階の床面より高くなり2階席に出っ張ってしまい、座席の設置できない区画があります。

そこで、その区画には雑誌を置いたマガジンラックが設置されていました。

一般の週刊誌もありますが目立つのがゴルフ雑誌。
撮影したのはバブルも弾け不景気のどん底であった晩年(2009年頃)ですが、この頃もまだゴルフ客の需要は高かったようです。
3・4号車のデッキにあるサービスコーナーです。

走る喫茶室の終了後は車内販売やスーパーシートへのシートサービスの基地となっていました。
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