座席図鑑 大井川鐡道クハ600形/スロフ300形 井川線(南アルプスあぷとライン)
大井川鐡道といえば全国的にSL急行が有名な路線ですが、「テツ」の間ではSL急行に勝るとも劣らない人気を誇るのが千頭から井川に至る井川線です。

当初はダム建設の為の路線としてナローゲージで敷設され、車両限界の都合から狭軌に改軌された現在でも軽便鉄道サイズの車両で運行されています。

客車は井川方の先頭に連結されるのが制御客車であるクハ600形、その他の客車はスロフ300形となります。
井川線の客車はこちらの機関車によって走行させることになります。

機関車は常に千頭方に連結され、井川方面行きの列車では先頭のクハ600形客車の運転台で最後尾に連結された機関車を制御して運転する珍しい運転が行われています。
井川線の数多くの魅力の中でも、やはり人気なのは現存する唯一のアプト式鉄道区間ではないでしょうか。

アプト式となっているアプトいちしろ~長島ダム間ではアプト式機関車が坂の下方となる千頭側に連結され、最大90‰(パーミル)の急勾配での安全運転を支えています。
クハ600形 
こちらはクハ600形の中でも、全面がモケット張りとなっているタイプのボックスシートを設置したクハ602~604の3両の内装で、後述する国鉄車両タイプのボックスシートに比べると現代的ですっきりしたイメージです。

こちらの座席を設置したクハ600形3両(クハ602~604)については、中間に連結されているスロフ300形客車より窓が大きいのが特徴です。
こちらは国鉄車両のボックスシートのような形状の座席を搭載した車両。

車両番号を控える事が出来なかったのですが、窓の大きさや天井のカーブ処理がスロフ300型に近いことから、おそらく1両のみスロフ300形から改造された「クハ601」ではないかと思われます。
先頭は展望シートとなっており、井川方面行きでは前展望を、千頭方面行き列車では後ろ展望を楽しむことが出来ます。

しかし、足元が非常に狭いので背の高い方や荷物の多い方は避けて正解かも!?
スロフ300形 
中間に連結される「スロフ300形客車」です。(スロフの”ロ”はJRではグリーン車を表す形式称号(等級制の時代に1等車から3等車まで順に「イ・ロ・ハ」と記号を付けた名残)ですが、井川線のこの車両はエキストラチャージが発生する車両ではなく、何故「ロ」の記号が付けられているのかは不明)

座席は路線バスで見られるような形状のシートでが設置されており、やや背もたれが低いのが欠点と言えば欠点でしょうか。
こちらもえんじ色のモケットの座席を設置していますが上の座席に比べて背もたれが高いタイプの座席になっています。

個人的には井川線客車の座席バリエーションの中で最も座り心地が良いのがこのタイプの座席ではないかと思います。(詰め物の劣化のためか、座席によって座面が固かったり柔らかかったりしますが・・・。)
スロフ300形にも国鉄車両タイプのボックスシートを設置した車両があります。(と、いうよりはこちらの仕様のスロフ300形から改造されたのが前述のクハ601号なので本来はスロフ300形の座席)

2+1の横3列配置となっていますが、それでも通路幅は一般的な車両よりはるかに狭い点や、通路側に肘掛も設置されていない点などが「井川線の車両幅の狭さ」を物語っているのではないでしょうか。 
こちらは座席自体は同じですが、チェック模様ではなくブルー単色のモケットを縫った座席が設置されています。 

なお、走行中に大井川の絶景を望めるのは形式・座席のタイプに関係なく全ての車両で「2人掛け(4人ボックス)」側となります。
車端部は全て4人掛けの座席となっており、前後の客車への車内からの移動は出来ません。 
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