座席図鑑 伊予鉄道D1型機関車+ハ1形客車「坊っちゃん列車」 
「停車場はすぐに知れた。切符も訳なく買った。乗り込んで見るとマッチ箱のような汽車だ。 」
夏目漱石『坊っちゃん』の有名な一文ですが、その舞台となった松山市内を走る併用軌道線では坊っちゃんの時代から電化がなされる1960年代に至るまで伊予鉄道によって蒸気機関車が運行されてきました。

モータリゼーションと電化の完成に伴い蒸気機関車は姿を消しましたが、道後温泉への観光列車として、ディーゼルエンジン+ダミーの水蒸気で蒸気機関車の雰囲気を残しつつ「煙が迷惑」という沿線住民の声にも対応した列車として復活を果たしました。
 取材:平成26(2014)年12月
蒸気機関車は一方向にしか運転台が無いため、一般的にはターンテーブルを用いて方向転換が行われますが、伊予鉄道にはその設備がないため始発駅では人力で方向転換させる光景を見る事が出来ます。
機関車自体がそれを行う前提で開発されたようで、大人二人の力であっという間に方向を変えることが出来るようです。 
外観同様、車内も明治時代の客車を復元した仕様になっています。

狭く、美しい木目調に復元された車内はまさに「マッチ箱」、座席の座り心地は木製のベンチそのものですが、走行中の振動が身体に直に伝わり、坊っちゃんで主人公が述べている「ごろごろと・・・」という乗り心地を味わうことができます。

道後温泉までの短い時間、明治時代の「坊っちゃん」の世界に思いを馳せながら乗車できる雰囲気満点な内装となっています。

また客車には、当ページで紹介した2両編成のハ1形の他に、機関車+客車1両で運行されるハ31形がありますが、そちらは1両が長いため短い客車2両のハ1形と乗車定員・座席定員ともに大きく変わりません。内装もほぼ共通となっています。
 天井は客車らしい優美な曲線を描いています。
照明も明治時代の客車の雰囲気を演出しています。
窓の陽射しよけはカーテンではなく鎧戸(ヨロイ戸)が設置されています。
短い乗車時間、また観光列車ということであまり使用する機会はないかもしれませんが、そのような部分まで忠実に再現されている事を感じられます。 
 温泉に入ったら是非食べておきたいのが名物「坊っちゃん団子」
お土産屋さんで購入できる他、道後温泉本館では湯上りに個室で休憩しながら坊っちゃん団子を頂けるプランもあります。
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