「座席」で旅する
座席図鑑 伊豆急行2100系第4編成「リゾート21EX/黒船電車」
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運行区間
熱海~伊東~伊豆急下田 
座席図鑑 No021
ページ公開:サイト公開時
ページ更新:2017年2月3日
取材:2009年5月
    2017年1月



1985年に初登場した「リゾート21」は伊豆急行線内外で人気を博し、第3編成は「快速 リゾートライナー」として私鉄車両では初めてJR東海道本線東京駅乗り入れを実現するなど、活躍の場を広げていきました。

そのような中で登場した第4編成は「リゾート21EX」と名付けられ、窓の大型化やソファーシートの設置のほかに、初の特別席「ロイヤルボックス」を設置し、その斬新な演出もあり更なる人気を呼びました。

現在は「開国の街・下田」へのアクセス列車として、ペリー艦隊をモチーフとした「黒船電車」となり、伊東線・伊豆急行線内の普通列車を中心に活躍を続けています。

●普通車 

先に引退した第1編成・第2編成では早いうちから座席もケットの更新が行われたのに対し、現在でも活躍を続ける”EX”は登場時からの内装が現在まで維持されているのが特徴的です。

普通車における従来編成と”EX”編成の相違点としては「ソファーシート」が挙げられますが、こちらの車両は従来通り4・2人ボックスと「くの字型」ベンチシートの組合せ。3次車までの「リゾート21」と共通する内装となっています。

この写真の車両は、その中でもモケットが「赤・青・オレンジ」の3色構成のもの。バブリーな時代を色濃く伝えるような「ドギツい」内装は一種の「走る車内学資料」かもしれません


 こちらは「くの字型」ベンチシートの組合せ。

次作の「アルファ・リゾート」ではハイバックシートによる海向き座席となったため、最初の編成以来伝統のベンチ型シートはこの編成が最後となりました。
 こちらは2人掛けボックス側。
伊豆急行線内では山側となりますが、ベンチシート越しにオーシャンビューを楽しむことができます。


こちらは同じモケットを縫った車両のうち、一色で車内が統一されている車両。

座席構成、配置等は先述した「カラフル内装」の車両と全く同じです。
 

こちらは先述した「ソファーシート」を設置した車両の内装。座席もケットは、「アルファ」編成と同一のものとなっています。
ボックスシートの座席自体はここまでに紹介してきたものと共通ですが、モケットが異なるだけで印象が多きく変わりますね。

2両のうち、1両は青色の座席メイン・ソファーのみ黄色(こちら)もう1両は黄色の座席メイン・ソファーのみ黄色(後述)のカラー設定がされています。


こちらが黄色メインの車両。床材や化粧板が黄系統のものであるため、統一感ある内装に仕上がっています。 


こちらは青・黄色それぞれのソファーシートです。
4人掛け×2のソファーが弧状に配置されており、グループでオーシャンビューを楽しみながら目的地までのひとときを過ごすのには最適。

窓側には細長いテーブルも付いており、飲み物くらいなら置いておくことが出来そうです。
 

「リゾート21」といえば左右非対称の座席配置、海向きベンチシート、後述するロイヤルボックス・・・と内装面では話題に事欠かない車両ですが、第1編成から「アルファ」まで、不動の人気を誇るのはやはり「展望席」でしょう。

同じ路線を走る「スーパービュー踊り子」同様、ハイデッキから運転室越しに見下ろす形での展望は迫力満点!”EX"編成は前面窓が中央ピラー無しの1枚窓となったため、従来の編成以上に眺望が良くなっています。

ちなみに、ハイデッキかつシアター型の勾配がある構造上危険なことに加え、後方の座席からの展望の邪魔となるためか、展望室での「立席乗車」は出来ない決まりとなっているようです。

 こちらは展望席の座席。

ボックスシートの座席と同じですが、通路幅(=後方列通路側座席からの展望)確保のためか、中肘掛が省略された、ややスリムなものとなっています。
 こちらは赤いモケットの展望席座席。

両先頭車とも、青い座席が「海側」、赤い座席が「山側」となっています。
●特別車「ロイヤルボックス」 

編成中1両、かつてのブルートレインを彷彿とさせるようなアーチ形の天井を持った車両は、EX編成で初登場した特別席「ロイヤルボックス」です。 

EX編成で初登場後、先に登場していた第1~3編成向けの3両も登場し、最盛期には”アルファ”編成向けの車両も含めた5両が普通列車では特別車、特急列車ではグリーン車として双方で活躍していました。

2003年に普通列車での連結が終了。その後は、”アルファ”編成向けの1両と、EX編成による臨時特急運用を考慮した1両が残存しています。今回紹介するのは数少ない臨時特急運用時を除き車庫で留守番となっていることが多い後者の車両。

座席は横2+1列で大型のリクライニングシートを設置。シートピッチは1340㎜と、あの「フジサン特急」に届こうかという広さです。普通に掛けていては持て余すこの広さは、後述する「スターダスト・ルーフ」により荷棚が設置できない点のカバーという要素が大きいようです。
座席後部に付いている一見フットレストのようなものは、フットレストではなく「荷物置き」。これも同様の理由からと考えられます。1人掛け席には荷物置きがなく、座席と壁の間の空間が荷物スペースにあたるようです。


先述した「荷物置き」を除けば1,2人掛けとも共通の座席となっています。

リクライニング量はかなり深く倒れ、天井を見上げるのも楽々。広いシートピッチであってこそ実現したものですね。1人掛け側が海側、2人掛け側が山側となっているため、1人掛け側の窓がやや大きく設計されています。
テーブルは窓側に括りつけられた小さなもののみで、2人掛け通路側の人は不便かも。インアームテーブルが欲しいところです。
オーディオサービス等はありませんが、かつては「普通列車の特別車」。現在は「踊り子号のグリーン車と同額の車両」と考えれば充分すぎる設備ですね。やや割高な「スーパービュー」のグリーン車にも大きく劣ることはないと思います。

以上のようなハイグレード設備を持っていながら、滅多に本線上に姿を現さないこの「ロイヤルボックス」。臨時特急運用への充当も考慮しつつ、何らかの形で日常の運用にも役立ててほしいところですね。 

各座席は座面下のレバーを引くことで回転させる事ができますが、進行方向を変える180度回転だけではなく、45度毎での固定が可能であるため、写真のような海向き配置やサロン型など、多彩な需要に応えられる設計となっています。

列車によっては、写真のように最初から「全座席海向き」状態でセッティングされていることもあるようです。
「ロイヤルボックス」といえばなんといっても「スターダスト・ルーフ」ですね。

相模湾と伊豆諸島を一望できるオーシャンビュー路線であると同時に、山がちでトンネルが多い伊豆急行線の条件を逆手に取り、トンネル内で星空演出を行うことで、トンネルを「オーシャンビュー同様に楽しみなもの」に変えてしまった革命児です。

伊豆急行線内4か所のトンネル区間で上映されています。
 
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