座席図鑑 広島電鉄650形 
 「広島電鉄650形」
おそらく「650形」という車両として以上に、1945年8月6日午前8時15分、人類史上初めて実戦で使用された原子爆弾で被災した「被爆電車」として知られている路面電車ではないでしょうか。
戦後70年、650形登場から73年が経過していますが、現在でもラッシュ時間帯の運用で活躍しているほか、650形を指定しての団体臨時運用も運行されることが多く、修学旅行での平和学習や原爆の日には特別運行も組まれています。

原爆投下・終戦から70年の節目を迎えた2015年。
悲しい歴史を現代に伝え、平和を祈る象徴であり続ける650形は2両が現役で活躍し続けています。
70回目の原爆の日を前に現在(2014.12月現在)修復工事が行われている原爆ドームです。 

核兵器の恐ろしさを現代に伝える貴重な遺構である原爆ドームは、ポーランドのアウシュヴィッツ強制収容所などと共に「負の世界遺産」とされています。
●車内 
車内は美しくニス塗りされた木目調化粧板が「戦中生まれ」のレトロさを演出しています。

もちろんこの内装は製造時からのものではなく、被爆後の修復のほか、歴史ある車両を長く運行するために何度も改造され、現在まで入念に手入れされています。
特に木製のフレームにグリーン一色のモケットを縫ったクッション、そして端がパイプで区切られているシートはとてもいい雰囲気!

1970年代に行われた改造後は最後部の扉は封鎖され座席を設置。またワンマン運転対応のための整理券発行機や、現在ではICカードにも対応した運賃箱が設置されています。
 一部座席は、「お年寄り、身体の不自由な方に席をゆずりましょう」と書かれたカバーが掛けられた「ゆずりあいの席」となっています。
運転台後ろには原爆投下の経緯と650形の経歴と、 651号・652号それぞれの経歴が書かれたパネルが設置されています。
651号は大破・半焼(黒焦げになり脱線した路面電車の有名な写真は651号)したため翌年まで復旧できなかったものの、その後復興を目指す広島市民の足となったこと、652号は被害が小さかったため8月中に復旧して運行を再開した姿が広島市民に勇気を与えた事などが書かれています。
なお5両製造された650形のうち60年代に事故廃車となった1両を除き、現役の651・652号、車籍を残しており江波車庫で休車(2015年に運行される予定)中の653号、広島市交通科学館で保存されている654号の4両が現存しています。
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