「座席」で旅する。
座席図鑑 JR西日本/東海285系寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」  
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運行区間
サンライズ瀬戸号 東京~高松(~琴平) 
サンライズ出雲号 東京~出雲市
 座席図鑑 No171
公開:2015年3月
更新:2017年7月
取材:2014年12月,2017年3月

JRC BLUE RIBBON PRIZE 1999
1990年代以降、寝台特急で運用されている客車は老朽化し、また「北斗星」など一部の例外を除くと乗車率の低下も否めない状況になりました。
しかし衰退する寝台特急群の中でも、新幹線や飛行機でのアクセスに難があり、費用的にも対抗出来得るとされた「出雲」「瀬戸」の両列車に新型寝台電車を導入することが決定し、1998年に「出雲」1往復と「瀬戸」号に285系が導入されました。
「北斗星」廃止によって定期運行される寝台特急としては唯一の存在となってしまった「サンライズ」ですが、観光・参拝客に絶大な人気を誇る「出雲」を中心に需要が高く、特に客室数の少ない2人用個室はプラチナチケット化することも珍しくない人気の寝台特急です。
●指定席「ノビノビ座席」 
寝台特急の強力なライバルであり、衰退の要因の一つとも言われる「夜行バス」に料金面で対抗するために設置されているのが指定席料金で横になれる「ノビノビ座席」です。

「サンライズ」を利用する場合は乗車券(いわゆる”運賃”)と特急券の他に最安の「ソロ」でも6000円を超える寝台料金が必要になりますが、「ノビノビ座席」は寝台ではなく指定席扱いで510円で乗車可能。寝台に比べて遥かに安価で乗車することが出来ます。

扱いは「指定席」ですが、1人分ずつ区切られたカーペット敷きのフロアに横になって過ごすことが出来、掛け布団(肌掛け程度の薄いものですが)も提供されるので座席夜行列車や夜行バスに比べて遥かに快適な環境で過ごすことが出来ます。そのため、寝台個室に空室があっても「ノビノビ座席」は満席になっていることも珍しくない人気の設備となっています。

しかし、カーテンは通路と座席を区切るのみで隣の席とは区切れないため貴重品の管理には充分ご注意ください。また女性客が多い列車ではありますが、「女性専用席」は無いため女性の方はその点もご注意ください。(痴漢は非常に少ない列車であり、車掌さんの巡回もありますが念のため)

カーペット敷きのため床面は固いです。また先述の通り掛け布団も薄手のものなので、自前のブランケットやマクラの代わりになるもの、また「寝袋」を持ち込まれるお客さんも多いようです。

トイレはもちろん、シャワールーム(320円)やロビーカー、自動販売機などの設備も寝台利用者と同じように利用することが出来ます。この点も夜行バスと比較するうえで重要なポイントになるのではないでしょうか。

このタイプの設備は、青森と札幌を結ぶ夜行急行「はまなす」のカーペットカー※クリックで画像表示(青函連絡船の桟敷席をヒントに登場し、同じく指定席料金で横になれる設備のため現在でも同列車随一の人気を誇る)の前例があります。
●B寝台1人用個室「ソロ」 
「ノビノビ座席」を除いて寝台設備は全室個室となっており、その中で最もリーズナブルなのが多くの寝台特急に設置されているのと同じB寝台1人用個室「ソロ」になります。

「サンライズ」では完全2階建てのB寝台個室「シングル」ルームがベーシックな個室になりますが、7両編成中2両(出雲・瀬戸併結時は14両編成中4両)は屋根上にパンタグラフを、床下にはモーターを設置しなければならない都合から1両は平屋の通路で個室部分のみが2層構造となる「ソロ」が設置されています。(ちなみにもう1両のパンタグラフ設置車は「ノビノビ座席」となっています。)

写真左は上段(2階)個室、写真右は下段(1階)個室で、上段個室は個室内に階段を抱え込む構造となっています。
上段個室は下段個室の入口部分が、下段個室では上段個室の階段の部分が個室内に出っ張り、室内はやや圧迫感があります。下段個室は入口で、上段個室は階段の下の狭いスペースで辛うじて立つことが出来ます。また上段個室には荷物置き場があり、小型スーツケース程度の荷物を収納することが出来ます。

そのため「ソロ」を利用される場合は上段個室がおススメです!(狭い個室内に階段があるため、「秘密基地」のような雰囲気もあり面白い個室です)下段個室は階段が無くフラットで入室出来る点が便利な反面、階段の出っ張りによって寝台の一部が狭まってしまっている欠点があります。

「シングル」との料金差は約1000円ということで、東京~出雲のような長距離のお客さんは「シングル」を好む傾向がありますが、東京~姫路や大阪→東京(上りのみ)などやや短い区間で「寝るだけ」と割り切って乗車される方からは「ソロ」も人気を集めています。
また、「ソロ」に限らずサンライズでは全ての個室にコンセントが設置されています。

ちなみに、サンライズの個室は「シングル」「シングルツイン」「シングルデラックス」「サンライズツイン」含め全室が、乗客が任意の番号を設定し開け閉めする電子ロックとなっています。
●B寝台1人用個室「シングル」 
先述の通り、サンライズエクスプレスのB寝台個室では従来型の「ソロ」に代わって1ランクグレードの高い「シングル」がベーシックな個室となっています。
従来の寝台車が通常の平屋車両であるのに対し285系では「ソロ」「ノビノビ座席」を除いて車両自体が2階建て構造になっている為、従来の「ソロ」より縦方向に広い空間を提供できることが理由となっています。

そのため床面積は「ソロ」と大差ないものの天井が高く開放感があり、個室内で難なく立ち上がる事が出来るのが「シングル」のポイントです。

寝台のほかには小さなテーブル(なにかを書くには不便ですが小型ノートパソコンを使用したり、ビールとおつまみを置ける程度)とゴミ袋、歯磨き用の紙コップが設置されています。

個室には「2階個室」(写真左)「1階個室」(写真右)の他に、天井の高い「平屋室」(写真左下)があります。
2階個室は大きく、カーブしている窓があり眺望に優れ、1階個室は2階建て車両の1階であるため揺れが少ないのがそれぞれ魅力です。
一部の車端部に設置されている「シングル」の平屋室は天井が高い反面、台車の真上となるため揺れやすいのが欠点といわれています。 

揺れが気にならない方であればおススメの個室ですが、車端部は号車によって「シングルツイン」となっているため設定室数は少なめです。
こちらはベッドメイクした「シングル」室内となります。
 ●B寝台1人/2人用個室「シングルツイン」
「シングルツイン」という奇妙な名前のこちらの個室は「シングル」2部屋を上下に繋げたような個室で、読んで字の如く1人でも2人でも利用出来ます。

1人の場合は「上段ベッドを収納して天井の高い個室でゆったり過ごす」や下段寝台は座席に転換出来るため「下段の座席で過ごして寝るときは上段のベッドで寝る」というような使い分けが出来、2人で利用する場合は上下2段のベッドを使用することになります。
また荷物スペースがあり、空き寝台も使用できるため、1人でも荷物が多い方には「ソロ」「シングル」よりこちらがおススメです。

料金は1人の場合9430円と、7560円の「シングル」より高めの設定、2人の場合は14830円と「ツイン」より若干ながらリーズナブルな値段になります。
 
また、2・9号車には車いす対応の「シングルツイン」が1室づつ設置されています。

「ツイン」の設定室数が4室と少ないため2人で利用する場合に「シングルツイン」を利用する方も多く、繁忙期には満室になることも多い個室です。
●B寝台2人用個室「サンライズツイン」 
従来のB寝台2人用個室は「デュエット」でしたが、サンライズエクスプレスでは「デュエット」よりややグレードの高い「サンライズツイン」が設置されています。

先ほどの「シングルツイン」が「シングルを縦に2部屋つなげたような構造」であるのとは対照的に、「ツイン」は「シングルを横に2部屋つなげたような構造」になっています。また、「2階」「1階」「平屋」と同一の個室で3種類の設定がある「シングル」とは異なり「サンライズツイン」は全室が1階に設置されています。
料金も「シングル」2部屋と同じく15120円で、「シングルツイン」を2名で利用する場合より290円高く設定されています。

出雲大社への観光・参拝アクセス列車となる「サンライズ出雲」は友達同士、カップルなど2人組の乗客が多い列車ですが、この「サンライズツイン」は4室(「瀬戸」号にも4室のみ)の設定と室数が少なく、閑散期でもチケットの入手が難しい個室と言われています。

「シングルツイン」8室を加えても1列車12室と、定員の割に2人用個室が少ない列車のため、2人で乗車される際はお早目にチケットを購入される事をお勧めいたします。
●A寝台1人用個室「シングルデラックス」 
「サンライズツイン」と同じ号車の2階部分はサンライズエクスプレス唯一のA寝台である「シングルデラックス」ルームが設定されています。

従来の東海道ブルトレの「シングルデラックス」はウナギの寝床のような個室内にベッドと背もたれと洗面台が設置されている。。。という、「個室であるだけでA寝台料金の価値を見いだせた」時代の産物であった訳ですが、サンライズの「シングルデラックス」はまるでビジネスホテルのような本格的な設備であり、B寝台も全て個室となった「サンライズ」でも充分に「A寝台個室」として通用する設備ではないかと思います。
それを示すように、高額な個室でありながらB寝台以上に人気があり、繁忙期を中心にチケットを取る事が困難になるほどの乗車率を誇っています。

室内はB寝台の各個室よりゆったりとしたベッド(掛布団は羽毛布団!)に加え机と椅子、温冷水切り替え可能な洗面台、荷物置き場があり、それでも狭さを感じないゆとりのある面積が「シングルデラックス」という特別な個室を象徴しています。

また、シャワーカードが無料で配布され、同じ号車内にあるシングルデラックス利用者専用のシャワールームを利用することが出来ます。(通常のシャワールームは20枚のシャワーカードが販売されるため深夜帯以外は混雑しますが、A寝台専用シャワーは最高でも6名しか利用しない為順番待ちも少なく済みます)

その他にアメニティポーチ(詳細は後述)や、使い捨てのスリッパも提供されます。

広くて快適な個室とベッドに加えて充実したアメニティが提供されるこちらの個室・・・寝台料金は13730円と「ソロ」の2倍以上ですが、長距離乗車となる「出雲」号では特に人気があります。
 喫煙室には灰皿が設置されています。
かつて観光バスのシートバックに設置されていたような引き出し式のもので、目立たないため探すのに一苦労します(笑)

また小さめで、捨てられる本数も多くなさそうに見えます。ヘビーな方は携帯灰皿が必要かも?
2014年から開始されたリニューアルで、A寝台のスツールは背もたれクッション付きのものに交換されました。
以前と同じ椅子にも見えますが・・・背もたれの骨組みのかたちが違うので新しいものかもしれません。
「シングルデラックス」のベッドメイキング状態です。

寝台幅は850㎜と余裕がある大きさです。 
アメニティポーチの中身です。
シャワーで使うタオルや洗顔料を含むシャンプーセットに石鹸、使い捨てカミソリに歯ブラシ、コーム、化粧水やポケットティッシュ、綿棒などに至るまで、ビジネスホテル並みの(それ以上の?)本格的なアメニティセットとなっています。
共有設備など 
8脚のチェアと自動販売機を備えたロビースペースです。
狭い1人用個室が中心となる「サンライズ」、この空間で飲食や宴会をしておられるお客さんをよく見かけます。

かつては「出雲」号の下り列車、岡山~新見間限定でこのロビーでお弁当の車内販売があったそうですが、現在は「サンライズ」号は一切車内販売がありません。
また自動販売機はソフトドリンクのみの販売のため、車内で飲み食いする夜食や朝食、アルコールやおつまみなどは乗車前に購入されることをお勧めします。
こちらはロビーに併設されているシャワールームです。シャワーはロビーに設置されたシャワーカード販売機で券を購入して利用することになります。(以前は車掌さんから購入する形でした)

入ってすぐの脱衣室には脱衣かごとドライヤー、鏡が設置されています。
シャワールームの利用時間は30分以内、お湯は6分間出ますが途中でお湯を止めるとその間はカウントされないため、止めながら使えば髪と身体を洗って温まる時間としては充分ではないかと思います。
リンスインシャンプーとボディーソープはシャワールーム内に備え付けられています。
また脱衣室にはシャワールーム洗浄ボタンがあり、シャワー使用後はこのボタンを押してシャワールームを洗浄することになります。(洗浄後にシャワールームを乾燥させるための風が出るのですが、その音が大きめで少し驚きます。)

ドライヤーは風量が若干弱く、髪の長い女性は時間がかかってしまうかもしれません。 

え?シャワールームの写真が心霊写真だって?ご安心ください、管理人です。ちゃんと服着てます(殴)
 ちなみにこちらはA寝台専用シャワールームです。
パネルが茶色になっており、さりげなく一般用シャワーとの差別化を計っています(笑)

と思いきや、ロビーのシャワーでもこちらの茶色系のパネルを設置したシャワールームがあるようです。車両によって違うのか、JR東海/西日本の所属によって違うのか・・・謎ですがどちらも利便性は変わりません。
追記(2017年7月12日)
シャワールームの内装パネルの色は、2014~2016年に行われたリニューアルでブラウンからホワイトに交換されたようです。なお、現在全ての285系でリニューアル工事が終了しており、茶色のパネルを残した編成はありません。(情報提供:貫通扉 様 ありがとうございます。)
2015年2月までは車掌さんがタオルと歯ブラシ入りの「タオルセット」を販売していました。
サンライズの絵柄入りのタオル(シングルデラックスで配布されるものは無地のタオル)でありオリジナルグッズでしたが販売が終了したため、現在は「シングルデラックス」以外に乗車してシャワーを利用する際はあらかじめタオルを用意する必要があります。 
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